【パパの悩み日記 vol.33】
「ママのこと、ちゃんと見てあげてね」
娘がそう言ったのは、
僕が「ママは?」と聞いたときだった。
「ママはね、ちょっと つかれてるの」
そう言いながら、娘はリビングに転がっていた毛布をそっと持って行った。
まだ2歳11ヶ月。
なのに、どうしてそんなことが分かるんだろう。
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ここ最近、ママは少し元気がなかった。
笑顔が減って、言葉も少し短くなった気がする。
でも、それをちゃんと“言葉にして伝えた”のは、僕じゃなくて娘だった。
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昨日の夜。
寝かしつけのあと、珍しく娘が寝室から出てこなかった。
静かなリビングで、ママはスマホを見ていた。
僕は台所で洗い物をしていて、声もかけなかった。
たったそれだけの夜。
でも、今思えば──
その“静けさ”こそが、ママの心のサインだったのかもしれない。

「パパ、ママとけっこんしたんだよね?」
急にそんなことを聞かれて、
僕はうまく返せなかった。
「うん、そうだよ」
「すきだから、けっこんしたんだよね?」
娘は、ただ確認するように聞いてきた。
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ママのことを“好き”だと、
最近、ちゃんと言ったことがあっただろうか。
いや、それ以前に──
ママを、ちゃんと“見て”いただろうか。
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僕はよく「家族のために頑張ってる」と思ってた。
仕事から帰ったら娘を抱きしめて、
「ただいま」と「おつかれさま」を交わして、
洗い物もたまにはやって、寝かしつけもやって。
でもそれは全部、
「役割」をこなしているだけだったのかもしれない。
“気づくこと”と、“やること”は、違う。
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ママが夜泣きで起きているとき、
僕は気づいても布団から出なかった。
ママが朝からバタバタしている日、
僕は「ありがとう」も言わずに出勤した。
そんな積み重ねが、
“見えてない”っていう現実を作ってたんだと思う。
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そのことを、娘は見抜いていた。
「ママ、よわいときもあるからね」
小さな声で、でもはっきりと言った。
その言葉は、やさしくて、でも痛かった。
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次の日の朝、
僕は、ママにお弁当を用意した。
といっても、冷凍食品を詰めただけの簡単なもの。
リビングでそれを見たママは、少しびっくりした顔をして、
「…ありがとう」とだけ言った。
それだけだった。
でも、その一言がうれしかった。

【気づいたこと】
娘はまだ2歳なのに、
僕よりもずっと“ママのこと”を見ている。
いや、きっと、“人の心”を見ている。
無邪気に笑って、じゃれて、甘えて──
その合間に、僕たち親の表情や言葉をちゃんと受け取っている。
【娘の言葉に、夫として救われた】
「ちゃんと見てあげてね」
この一言を、忘れないようにしようと思う。
夫婦って、言葉がなくても通じる…なんて、
あれはただの幻想だ。
通じる努力をしなきゃ、何も届かない。
日々のなかで、「ありがとう」とか「大丈夫?」とか、
たった一言の積み重ねが、支えになる。
⸻
娘がくれた小さな気づきが、
僕たちをつなぎ直してくれた気がする。
ママのこと、ちゃんと見よう。
家族のこと、大事にしよう。
そして何より──
それを、娘に教えてもらったことを、
一生忘れたくないと思った。
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