毎朝、保育園で泣いていた娘。
「いやぁ…ぱぱとがいい…」
制服の袖を握って離さない小さな手。
正直、毎朝バタバタで、会社に間に合うかヒヤヒヤしてた。
でも、心のどこかで
「いつか泣かなくなる日が来る」って思ってた。
その“いつか”は、もっと先のことだと思ってた。
今朝、玄関でくつを履いた娘がポツリとひと言。
「きょうは…ないない、しないの」
そう言って、自分から手をつないできた。
保育園に着いて、玄関でくつを脱いで、
先生に「おはようございます」って元気に挨拶して、
くるっとこっちを見て、
「ぱぱ、またねー！」って笑って手をふった。
泣かなかった。
あんなに毎日、泣いてたのに。
成長したんだなって、思った。
嬉しかった。
でも少しだけ、寂しかった。
夜、寝かしつけのあと。
そっとほっぺにキスをしたら、娘が小さな声でつぶやいた。
「ぱぱ、きょうはないないしなかったね」
俺の方こそ、泣きそうだったよ。
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