2025年5月某日。
ふとした瞬間に、心が折れそうになる夜がある。
会社で理不尽なことがあった日。
何をどう頑張っても報われないような気がして、
やるせなさを抱えたまま、家までの道を歩いていた。
いつもの帰り道なのに、今日はやけに長く感じる。
帰っても、娘の前で笑顔をつくる自信がなかった。
⸻
でも、玄関を開けたその瞬間。
パッと顔を上げた娘が、まっすぐにこっちを見つめてきた。
そして、まるで心を見透かすように、
小さな声で、こう聞いてきた。
「パパ、泣いてた?」
胸がぎゅっと締めつけられた。
思わず、言葉が詰まった。
ほんの数秒だったけど、
時間が止まったように感じた。

「泣いてないよ」
そう返したけれど、声がかすかに震えていたのを、自分でもわかった。
娘は、それ以上なにも聞かずに、
すっと近づいて、ギュッと抱きしめてくれた。
その小さな手のあたたかさが、
今日一日、仕事でどれだけ傷ついていたかを思い出させてくれた。
「おかえり」
その一言さえもなく、ただ抱きしめてくれた。
どんな励ましの言葉よりも、
どんな慰めよりも、
そのぬくもりが、心の奥まで届いた気がした。
父親だって、泣きたくなる日がある。
だけど、ずっと思ってきた。
娘の前では強くありたいって。
つらい顔なんて、見せたくない。
だけど、もしかしたら。
強がることだけが“父親”なんじゃないのかもしれない。
「パパ、大丈夫だよ」
娘が小さな声でそう言ったとき、
こらえていたものが、全部ほどけた気がした。
泣くことは弱さじゃない。
傷ついても立ち上がること。
涙を見せることができること。
それもまた、父親としての“強さ”なんだと、気づかせてもらった。

娘はそのあと、いつも通りおもちゃで遊びはじめた。
何事もなかったように。
だけど、パパの心にはしっかりと残ったんだ。
「泣いてた?」と聞かれたあの日のことが。
あの一言が、今の自分を支えている気がする。
本当はもっと頼りがいのある父親になりたい。
でも、完璧じゃなくてもいいのかもしれない。
悩んで、つまずいて、それでも毎日帰ってくること。
それがきっと、父親としての「答え」なんだ。
⸻
今日も、ブログに綴ります。
泣いてしまった日があったということを。
そして、その涙が、娘のやさしさに救われたということを。
#育児パパ #パパ泣いてた
#父親の涙 #共働き育児
#共感したらシェア #副業ナイトパパ日記
#感情を抱えるパパたちへ
コメント