絵本を読む時間って、なんとなく“じっと座って静かに読むもの”というイメージがある。
でも、この本に限っては、その常識が通用しない。
ページをめくるたびに、体がムズムズ動き出す。
声を出しながら、手を動かして、思わず一緒にジャンプまでしちゃう。
そんな“からだごと楽しむ絵本”、
それが『ぺんぎんたいそう』(齋藤槙/福音館書店)だ。
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【はじまりは「すって〜 はいて〜」】
ある朝のこと。
僕が洗面所で髭を剃っていると、後ろからちょこんと娘がやってきた。
背筋をピンと伸ばし、手を広げながら、こう言った。
「すって〜! はいて〜!」
なにごとかと思ったら、昨日読んだ『ぺんぎんたいそう』の“まねっこ”だった。
読み聞かせたとき、一緒に声を出しながら動いたペンギン体操。
それを娘は、翌朝になっても覚えていたのだ。
絵本って、読むだけじゃない。
“体で感じる”記憶の残り方もあるんだ──そんなふうに気づかされた朝だった。

【絵本の紹介】
📘 『ぺんぎんたいそう』
作・絵:齋藤槙
出版社:福音館書店(こどものとも0.1.2.)
この本は、リズムよく動く「ぺんぎん」の体操を親子でまねしながら読む絵本。
言葉はシンプル。
でも、そのシンプルさが心地よく、繰り返し読みたくなる魔法がある。
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■ リズムが心地よく、動きやすい
「すって〜、はいて〜」
「ぴょーん!」
「ぐーっと のびて〜」
短く区切られたフレーズが、テンポよく続いていく。
読むたびに自然と声に抑揚がついて、パパの声もつられて元気になる。
特に朝の時間や、外出前の準備中など、少し気分を切り替えたいときにぴったりだ。
眠い目をこすっていた娘が、この絵本を読むとパッと元気になる。
そんな“目覚まし絵本”としても活躍している。
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■ ペンギンの動きで“体を知る”
この絵本では、ペンギンが腕を広げたり、しゃがんだり、ジャンプしたりする。
その動きをマネすることで、自然と子どもが“体の使い方”を学べる構成になっている。
たとえば──
「ぴょーん!」のページでは、親子そろってその場でジャンプ。
「しゃがんで〜 のびて〜」では、背筋をぐーっと伸ばして大きく深呼吸。
体を動かすことが楽しいと感じるきっかけにもなるし、
運動というより“遊び”の延長として楽しめるのがいい。
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■ 厚紙仕様で、動きながら読める設計
『ぺんぎんたいそう』は、小さな子が手に取りやすいように厚めの紙で作られている。
めくりやすく、破れにくい。
子どもが両手で持ってブンブン振り回しても大丈夫。
とくに“動きながら読む”ことを想定して作られているから、何度読んでも丈夫だ。
これは親として本当にありがたいポイントだと思う。
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【まとめ】
『ぺんぎんたいそう』は、単に「読む」だけの絵本じゃない。
親子でまねっこしながら“動く”ことで、いっしょに体験を共有できる絵本なんだと思う。
娘と一緒に声を出して、動いて、笑って──
そんな朝のひとときは、何よりも心に残る。
ちなみに、あの「すって〜 はいて〜」の朝から数日後。
娘はまた、玄関で保育園バッグ背負うような体勢でこう言った。
「ぴょーん!」
……そう。
一人でも体が覚えてる。
この絵本がくれた“動く記憶”が、娘の中にちゃんと根づいている。
そんなふうに思えるから、今日も本棚から自然とこの一冊を手に取ってしまう。
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📚 作品情報
『ぺんぎんたいそう』
作・絵:齋藤槙
出版社:福音館書店(こどものとも0.1.2.)
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✏️ 次回予告(予定)
次回は、“あかちゃんが笑顔になる”絵本をご紹介予定です。
読み聞かせに苦手意識のあるパパでも、安心して楽しめる一冊です。
(※気分次第で変更になるかもしれません…笑)
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