にっこり、おつきさま。夜のやさしさが伝わる一冊。『おつきさまこんばんは』【絵本の時間 vol.9】

絵本と育児

「こんばんは」と、やさしい声が聞こえてくるような気がした。

夜の静けさに包まれた寝かしつけの時間。

その日、娘に読んだのは──

『おつきさまこんばんは』(作:林明子/福音館書店)。

シンプルで、短くて、なのに不思議なあたたかさが胸に残る。

そんな一冊だった。

🟨 絵本の魅力①:語りかけてくれる“おつきさま”

絵本は、まるでお月さまがこちらに語りかけてくるような構成。

「おつきさま こんばんは」の声に合わせて、子どもも自然と手を振る。

登場するのは、お月さまと家と、猫、そして最後に親子。

それだけ。

でも、それだけでいい。

娘も「こんばんは〜」とつぶやきながら、ページをめくっていた。

🟩 絵本の魅力②:表情だけで伝わる感情

この絵本で一番印象的なのは、“お月さまの表情”だと思う。

最初は目をつむったお顔。

だんだん開いて──

雲に隠れて泣き顔になり、また現れてにっこり笑顔。

文字では語られないその変化を、娘はじーっと見つめていた。

「つきしゃん、えーんしてるね」

そう言って、そっとページに触れた。

🟦 絵本の魅力③:夜の空気を感じる静けさ

背景は深い青。星もない、シンプルな夜空。

家の中の明かり、黒いシルエットの猫。

どのページも静かで、まるで夜の空気をそのまま切り取ったよう。

読むうちに、娘も落ち着いていって、

「もうねんねする」と自然に布団に入っていった。

物語らしい展開がないのに、しっかり心に届く。

それは、余計なものを削ぎ落とした“夜の絵本”ならではの魅力だと思う。

🟫 まとめ:眠る前の、やさしい魔法

寝かしつけにぴったり──

そう紹介されることの多いこの絵本だけど、読んでみて感じたのは、それ以上の何か。

言葉の少ない絵本だからこそ、親子の声が絵本に溶け込む。

「こんばんは」「おやすみなさい」──

そんな日常の言葉が、ちょっと特別なものに感じられる。

今夜も、読み終わったあとにそっと聞こえた。

「おつきさま、またあしたね」

🛒【紹介リンク】

『おつきさまこんばんは』(作:林明子/福音館書店)

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