「こんばんは」と、やさしい声が聞こえてくるような気がした。
夜の静けさに包まれた寝かしつけの時間。
その日、娘に読んだのは──
『おつきさまこんばんは』(作:林明子/福音館書店)。
シンプルで、短くて、なのに不思議なあたたかさが胸に残る。
そんな一冊だった。
🟨 絵本の魅力①:語りかけてくれる“おつきさま”
絵本は、まるでお月さまがこちらに語りかけてくるような構成。
「おつきさま こんばんは」の声に合わせて、子どもも自然と手を振る。
登場するのは、お月さまと家と、猫、そして最後に親子。
それだけ。
でも、それだけでいい。
娘も「こんばんは〜」とつぶやきながら、ページをめくっていた。
🟩 絵本の魅力②:表情だけで伝わる感情
この絵本で一番印象的なのは、“お月さまの表情”だと思う。
最初は目をつむったお顔。
だんだん開いて──
雲に隠れて泣き顔になり、また現れてにっこり笑顔。
文字では語られないその変化を、娘はじーっと見つめていた。
「つきしゃん、えーんしてるね」
そう言って、そっとページに触れた。

🟦 絵本の魅力③:夜の空気を感じる静けさ
背景は深い青。星もない、シンプルな夜空。
家の中の明かり、黒いシルエットの猫。
どのページも静かで、まるで夜の空気をそのまま切り取ったよう。
読むうちに、娘も落ち着いていって、
「もうねんねする」と自然に布団に入っていった。
物語らしい展開がないのに、しっかり心に届く。
それは、余計なものを削ぎ落とした“夜の絵本”ならではの魅力だと思う。
🟫 まとめ:眠る前の、やさしい魔法
寝かしつけにぴったり──
そう紹介されることの多いこの絵本だけど、読んでみて感じたのは、それ以上の何か。
言葉の少ない絵本だからこそ、親子の声が絵本に溶け込む。
「こんばんは」「おやすみなさい」──
そんな日常の言葉が、ちょっと特別なものに感じられる。
今夜も、読み終わったあとにそっと聞こえた。
「おつきさま、またあしたね」
⸻
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『おつきさまこんばんは』(作:林明子/福音館書店)

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