「おかえり」
「パパ、だっこ」
「きょうはね…!」
そんな何気ない言葉のひとつひとつが、
僕の心を、毎日少しずつ溶かしていった。
思い返せば──
娘が生まれる前の僕は、もっと「強がっていた」気がする。
感情を見せるのが苦手で、泣くなんて絶対にしたくなかったし、
誰かに頼ることも、心を許すことも、どこか怖かった。
でも、あの日から。
この小さな手に、すべてを変えられてしまった。
【あの日の僕は、“父親”になれなかった】
はじめて娘を抱いた日のことを、今でもはっきり覚えてる。
ふにゃふにゃの小さな命を腕に抱いた瞬間、
僕は「父親になった」と言い聞かせていた。
でも本当は──
不安でいっぱいだった。
どうやって守ればいいのか、どう関わればいいのか、
まったくわからなかった。
泣き止まない夜、
ミルクを拒否された日、
熱を出して眠れなかったあの夜…。
正直、何度も「逃げたい」と思った。
「自分なんかが父親でいいのか」って、自問自答もした。

【それでも、あの言葉が僕をつなぎとめた】
「パパ、あっちいって」
「パパ、きらい」
「パパ、できないかもね」
そんな言葉に傷ついたこともあった。
でも、どんなにショックを受けても、
僕は離れられなかった。
なぜなら、
その逆の言葉を、娘はちゃんとくれていたからだ。
「パパ、きょうはだいすき」
「パパ、できたね!」
「パパ、きてくれてありがとう」
この不器用なやり取りのなかで、
僕は何度も壊れそうになりながら、
それでも“父親”としての心を形づくっていった。
【“父親”ってなんだろう?】
完璧であることじゃない。
常に正解を出すことでもない。
ただ、「そばにいること」。
どんな時でも、どんな感情のときでも、
逃げずに一緒にいること。
娘がそう教えてくれた。
泣きたい夜もあった。
怒鳴って後悔した日もある。
寝顔を見て、声を殺して泣いた夜も。
でも全部、いまの僕を作ってくれた記憶だ。

【強くなったんじゃない。弱くなれたんだ。】
誰かの前で泣けるようになったのは、
娘のおかげだと思う。
会社では、まだ「強がって」いるかもしれない。
でも、家ではもう無理だ。
娘の前では、僕はただの“パパ”で、
すぐに泣いてしまう、よわむしな大人。
でもそれでいいと思っている。
だってそれが、
誰かを本当に大切に思った証なんだから。
【これまでの31記事を、ふりかえってみる】
これまで「パパの悩み日記」として、
娘との日々を31本の記事に残してきた。
• 怒ってごめんが言えなかった夜
• 泣かずに保育園に行った朝
• 娘の寝顔に救われた日
• 「パパ、あっちいって」に傷ついた夜
• 「パパ、だいすき」と言われた朝
どの記事にも、ひとつずつ“感情”がある。
そして、その感情の数だけ「父親としての成長」がある。
僕は立派なパパじゃない。
間違えてばかりで、感情的にもなるし、余裕もない。
でも、娘と一緒に泣いたり笑ったりするたびに、
ほんの少しずつ「本物の父親」に近づいてる気がする。

【これからの自分に、言ってやりたい】
「もっと泣いてもいいよ」
「もっと弱くなってもいい」
「ちゃんと向き合ってる。だから、それで十分だよ」
娘に出会って、僕は“強く”なったわけじゃない。
“弱く”なれるようになった。
心を開いて、誰かの言葉に揺れて、
涙をこらえずに、想いを伝えられるようになった。
それが僕にとって、
「父親になった」という意味なのかもしれない。
⸻
子育てって、正解がわからない。
でも、ひとつだけ確かに言えることがある。
それは──
娘が僕を“父親”にしてくれたということ。
これからも悩むし、泣くし、迷う。
でも、それでいい。
それが「パパの悩み日記」の本質だから。
31本目の記事を、僕はこの言葉で締めくくりたい。
娘に出会って、僕は“弱く”なった。
でもその弱さこそが、僕の“強さ”なんだと、いまなら言える。
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