娘の笑顔がはじまった一冊。『いろいろ ばあ』【絵本の時間 vol.1】
「絵本の時間」──
それは、ただ読むだけじゃない。
ページをめくる音に耳を澄ませたり、
表情を見つめ合って笑ったり、
言葉にならない思いが行き交う、親子の“心が通う”瞬間。
これから少しずつ、
娘との毎日に寄り添ってくれた絵本たちを、ひとつずつ紹介していこうと思う。
その第1冊目に選んだのは、やっぱりこの本。
『いろいろ ばあ』(新井洋行/えほんの杜)。
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【きっかけの朝】
2025年5月のある朝。
まだ肌寒さが残る時間帯。
仕事に出かける前の慌ただしい朝だったけれど、
その日はなぜか、時間の流れがゆっくりだった。
娘は、食べかけのヨーグルトを前にじっとしたまま、何もしゃべらない。
眠いのか、機嫌が悪いのか──
でも、ただそれだけじゃない“静けさ”を感じた。
そんなとき、ふと思い出して手に取ったのが、この絵本だった。
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【読みはじめた瞬間】
「いろいろ…… ばぁ!」
最初の1ページ。
赤、青、黄色。
鮮やかな“いろ”たちが、ページの向こうから元気よく飛び出してくる。
娘は最初、不思議そうな顔をしていた。
でも、2ページ目、3ページ目とめくるうちに、
ふわっと笑った。
まるで、心のどこかがやさしくほぐれていくように。
気づけば、今日いちばんの笑顔だった。
その笑顔を見たとき、
「ああ、この本、すごいな」と思った。

【絵本の紹介】
📖 『いろいろ ばあ』(新井洋行/えほんの杜)
この絵本の魅力は、シンプルなのに“奥深い”ところ。
ただ色を見せるだけじゃない。
まるで色が生きているように、“いろ”そのものがキャラクターとして登場する。
「いろいろ……ばあ!」の繰り返しは、読み聞かせデビューにもぴったり。
テンポがよく、赤ちゃんでも反応しやすい。
1歳前後の子でも笑顔になってくれる絵本って、実はなかなか貴重だ。
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【リズムが楽しい】
この本の言葉には、心地よい“間”と“リズム”がある。
大げさに声を出す必要もない。
ただ「いろいろ……ばあ」と言うだけで、子どもが笑ってくれる。
娘も、最初は聞いているだけだったのが、
何回か読むうちに、自分から「ばあっ!」とマネするようになった。
その瞬間が、何よりもうれしかった。
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【“いろ”を“あそぶ”絵本】
赤・青・黄色という、視覚的にもわかりやすい色が主役になっている。
それぞれの色には顔があり、個性があり、
子どもは自然と“好きな色”を覚えていく。
娘の場合、「あか!」が最初のお気に入りだった。
ページを開くたびに、「つぎ あお!」「きいろ!」と声が出る。
“読んであげる”から“いっしょに読む”に変わっていく過程が、
この絵本にはぎゅっと詰まっている。
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【読み聞かせデビューにも最適】
紙製だけど厚みのあるページで、破れにくく、めくりやすい。
まだ手先が不器用な子どもでも、無理なく楽しめる作り。
そして何より、ページ数も短くて、疲れない。
朝の支度中や、寝る前のひとときにもちょうどいい。
「読んでよかった」と親の方が思わせてもらえる、そんな一冊。

【“つながる”ための絵本】
絵本は、“読む”ためのものじゃない。
“つながる”ためのもの。
『いろいろ ばあ』は、まだ言葉のない娘と、
心を交わせた“はじめての一冊”だった。
だからこそ、娘の笑顔がはじまったあの朝のことを、
今でも鮮明に覚えている。
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これから少しずつ、わが家の本棚から「お気に入りの絵本たち」を紹介していきます。
もし、今日の『いろいろ ばあ』が気になったら、
次の絵本もきっと、あなたとお子さんの時間に寄り添ってくれるはずです。
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