寝かしつけの味方は、“まだ遊びたい”ノンタンだった。『ノンタン おやすみなさい』【絵本の時間 vol.4】

絵本と育児

「もう寝る時間だよ」

毎晩のように、何度も口にしているセリフだ。

でも、娘はいつもその言葉を聞きたくなさそうにする。

まだ遊びたい、まだ起きていたい、パパともっと一緒にいたい──そんな気持ちが、全身から伝わってくる。

「ねむくないもん!」

「まだあそぶ!」

寝かしつけの時間は、まるでちいさな戦い。

こっちは眠る準備を整えて、絵本もスタンバイしているのに、娘はお布団から脱走しようとする。

そんな“寝かしつけバトル”のある夜、僕は1冊の絵本を手に取った。

タイトルは──

『ノンタン おやすみなさい』(キヨノサチコ/偕成社)。

【あの夜のこと】

その日もまた、娘は「まだ寝ない!」とふてくされ、ママはすでにくたくた。

バトンは僕の手に渡った。

正直、僕も仕事で疲れていて、体力的には限界に近かった。

でも、ただ怒って寝かせるのは違うと思った。

なにか気持ちを切り替える方法がないか──そう思って、棚からこの絵本を選んだ。

ノンタンが表紙で「おやすみなさい」と言っている。

けれど、ストーリーの中では、なんと夜遅くに友だちの家を訪ね歩いていくノンタン。

「まだあそびたいのー!」

「だれかー あそぼー!」

ノンタンのわがままっぷりに、娘は思わず爆笑。

「ノンタン、あぶないよ〜!」とツッコミを入れながらページをめくっていた。

でも、物語が進むにつれて、次第にトーンが落ち着いていく。

ノンタンが会いに行く友だちみんなが、「おやすみなさーい」と眠ってしまっているのだ。

その静けさが、絵本の中から娘の心にもしみ込んでいったようだった。

【絵本の紹介】

■ ノンタンの“夜の冒険”に、こどもは共感

夜になっても遊びたいノンタン。

娘にとって、それはまさに“自分と同じ気持ち”。

「ノンタン、うちの子じゃん!」なんて言いながら読んでいた。

でも、読み進めるうちに気づく。

どのページにも、静かであたたかい夜が流れている。

いつのまにか娘の呼吸も落ち着いて、体の力がすこしずつ抜けていった。

■ 読みやすく、くり返しが心地いい構成

この絵本の魅力は、なんといってもテンポのよさ。

3〜5分ちょっとで読み終えられる長さは、寝かしつけにちょうどいい。

「〜さーい」「〜ないのー?」といった言葉のくり返しが、子どもの耳にも心地よく響く。

音のリズムに乗って、自然と“寝るモード”へと導いてくれるような感覚がある。

ただし、我が家では「もう一回!」が3セット連続だったけど(笑)。

【まとめ】

「まだ寝たくない」

「もっとあそびたい」

その気持ちは、きっとどの子にもある。

でも、「おやすみなさい」を無理に言わせるより、ノンタンのように“遊びたい気持ち”を一度受け止めてあげるほうが、娘の心にはしっくりきたみたいだった。

あの夜、ノンタンが娘の気持ちを代弁してくれた。

「まだあそぼー!」ってノンタンが言ってくれたことで、娘は自分を否定されなかった。

だからこそ、すっと気持ちが落ち着いたのかもしれない。

この絵本は、寝かしつけの“正解”じゃないかもしれない。

でも、“寄り添ってくれる味方”には、なってくれる。

僕は、そんなふうに感じている。

📚 作品情報

『ノンタン おやすみなさい』

著:キヨノサチコ

出版社:偕成社

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✏️ 次回予告(予定)

次回は、“一緒に声を出したくなる”絵本をご紹介予定です。

読み聞かせがちょっと苦手なパパにもおすすめの1冊です。

(※その時の気分で変わるかもしれませんが…笑)

🏷 ハッシュタグ

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