2025年5月某日、休日の昼下がり。
リビングの床に広げたおもちゃを前に、ぼんやりと座り込んでいた。
目の前には元気に遊ぶ娘。けれど、どこか心が遠い自分がいた。
昨日までの疲れが取れず、笑顔も少し引きつっていたのかもしれない。
そんなとき、娘がふいに言った。
「パパ、おしごと、やめたら?」
あまりに自然で、あまりにまっすぐで――
思わず息が止まった。
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冗談だったのかもしれない。
誰かの真似だったのかもしれない。
でも、心の奥にずしんと響いた。
まるで、日々の葛藤をすべて見抜かれたような気がした。
ここ最近、仕事がつらい。
頑張っても評価されない。
毎朝、ため息をつきながら会社に向かう。
「なんのために働いてるんだろう」って思う日もある。
でも、そんな弱音は家族の前ではなかなか吐けない。
「生活のため」「家族のため」って自分に言い聞かせながら、
ただ前だけを見て、必死に走り続けていた。
そんなときに投げかけられた、たった一言。
「おしごと、やめたら?」
それは、“パパが笑ってない”っていう、小さな気づきの言葉だったのかもしれない。
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しばらく黙ったまま、娘の顔を見つめた。
あどけない目がまっすぐこちらを見ていた。
ふざけて言ったような、でも少し心配しているような、そんな表情だった。
「パパ、がんばってるもんね」
そのあと、娘はニコッと笑った。
それだけで、涙が出そうになった。

「辞めたい」と思う日なんて、山ほどある。
でも、逃げられない現実がある。
簡単に投げ出せない責任がある。
そして、家族がいる。
だけど、「無理しすぎないで」っていう
あの一言に、救われた気がした。
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夜になって、娘はもう忘れたようにすやすやと眠っていた。
小さな寝息が、部屋に静かに響く。
その隣で、自分もそっと目を閉じる。
少しだけ肩の力を抜いて、「明日も、なんとかやってみよう」と思えた。

きっとこれからも、仕事に打ちのめされる日がある。
自分を見失いそうになる瞬間がある。
でも、ふと思い出すんだろう。
あの昼下がり、娘に言われた、まっすぐなひと言を。
「パパ、おしごと、やめたら?」
そんな日が、たしかにあったという記録を。
今日も、ここに綴っておきます。
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